偶(ひとがた)神社は、山麓の旧市街にある着偶市の総鎮守で、着ぐるみ文化発祥の地と伝えられています。創建年代は不詳ですが、人形(ひとがた)を御神体とする全国でも珍しい神社です。

肌衣(はだぎぬ)伝説

社伝によれば、いにしえに天から舞い降りた天女が、面と肌衣を残して去ったとされます。村人たちがこれを見よう見まねで写したものが、今日の着ぐるみの起源と伝えられています(市指定文化財「肌衣縁起絵巻」に描かれています)。

疫病よけの伝承

江戸時代中期、村の子どもたちが次々と倒れる疫病が流行した際、神社のお告げに従い子どもたちを人形の姿に扮させたところ、流行が収まったと伝えられています。市史編さん委員会の調査では、面と装束が接触感染を防いだためと考えられており、着ぐるみの風習が今日まで続く契機となった出来事とされています。

例大祭(7月19日・20日)

令和8年は7月19日(日曜日)・20日(月曜日・祝日)に斎行されます。期間中、門前町一帯で交通規制が行われます。

  • 稚児神事:市内の児童から選ばれた稚児は、神の依代(よりしろ)となる面と装束を身につけ、神事の間は自ら手足を動かさないしきたりです。移動はすべてお付きの大人が輿(こし)でお運びします。
  • 偶神楽(ぐうかぐら):子どもたちが着ぐるみ姿で舞う神楽の奉納。スサノオノミコトの大蛇退治などの演目が人気で、県指定無形民俗文化財です。
  • 巫女舞:その年に成人を迎えた市民から選ばれた着ぐるみの巫女が、豊穣と無病息災を祈る舞を奉納します。

面供養(納め面)

毎年10月、役目を終えたお面に感謝して納める面供養が行われます。納め面をご希望の方は「お面の適正な取扱い」をご覧ください。

アクセス

絹谷鉄道「着偶市駅」から門前町を徒歩15分。例大祭期間中は市内循環バス「きぐるりん号」が臨時運行します。